「年賀状を出しそびれたから、寒中見舞いを出そう!」
「喪中の方へ、お正月のあとに挨拶状を送りたい」
そう思ってカレンダーを見た時、ふと疑問に思いませんか?
「寒中見舞いって、具体的に1月の何日から出していいの?」
一般的には「松の内(お正月の期間)」が明けてから出すものとされていますが、実はこの「松の内」の期間は、関東と関西で約1週間のズレがあります。
もし、関西の方に向けて関東の感覚で(1月8日に)送ってしまうと、相手にとっては「まだ松の内(お正月)なのに…」と少し違和感を与えてしまうかもしれません。
この記事では、寒中見舞いを出す前に絶対に知っておきたい「松の内の地域別ルール」と、遠方の相手に送る際の「最も安全な投函時期」について解説します。
1. 寒中見舞いは「松の内」が明けてから
まず大前提として、寒中見舞いは「寒さが厳しい時期に相手を気遣う手紙」であると同時に、「お正月の挨拶(年賀状)の時期が終わった後に送るもの」という役割があります。
そのため、門松などの正月飾りを飾っておく期間=「松の内(まつのうち)」が終わった翌日から出すのが正式なマナーです。
- 松の内: 年神様が家に滞在している期間。この期間は「年賀状」を出します。
- 松の内明け: お正月モード終了。「寒中見舞い」に切り替わります。
この「松の内がいつ終わるか」が、地域によって異なるのです。
2. 【地域別】松の内はいつまで?関東・関西の境界線
あなたが住んでいる場所、そして相手が住んでいる場所はどちらでしょうか?
大きく分けて2つのパターンがあります。
【関東・東北・九州など】1月7日まで
東京を中心とした関東地方や、東北、九州などの多くの地域では、「1月7日」までを松の内とします。
そのため、寒中見舞いは「1月8日」から届くように手配すればOKです。
- 松の内: 1月1日〜1月7日
- 寒中見舞い: 1月8日〜
【関西・四国など】1月15日まで
大阪や京都を中心とした関西地方(近畿圏)や四国の一部では、小正月(こしょうがつ)である「1月15日」までを松の内とする習慣が根強く残っています。
そのため、寒中見舞いは「1月16日」以降に届くようにするのがマナーです。
- 松の内: 1月1日〜1月15日
- 寒中見舞い: 1月16日〜
※なぜズレているの?(豆知識)
元々は全国的に「1月15日まで」でした。しかし江戸時代、火事が多かった江戸の町で「燃えやすい松飾りを早く片付けよう」という幕府の命令があり、関東だけ「1月7日」に短縮されたと言われています。その影響を受けなかった関西では、古い習慣(15日)がそのまま残りました。
3. 相手と自分の地域が違う場合はどうする?
現代では、東京から大阪へ、あるいはその逆へ送ることも多いでしょう。
その場合、どちらのルールに合わせればよいのでしょうか?
結論:相手(受取人)の地域のルールに合わせる
挨拶状は「相手を気遣うもの」ですので、相手が住んでいる地域の「松の内明け」に合わせるのが最も丁寧です。
- 【自分(関東)→ 相手(関西)へ送る場合】
- 自分の感覚だと1月8日からOKですが、相手はまだお正月期間です。「1月16日以降」に届くように待ちましょう。
- 【自分(関西)→ 相手(関東)へ送る場合】
- 相手はもうお正月が終わっています。「1月8日以降」に届くように送って大丈夫です。
迷ったら「1月16日」以降が無難!
「相手が東海地方(境界線)だ」
「最近引っ越したから地域の風習がわからない」
このように判断に迷う場合は、遅い方である「1月16日以降」に届くように手配すれば、全国どこへ送ってもマナー違反になりません。
4. いつまで出せる?デッドラインは「立春」の前日
出し始める時期には地域差がありますが、「出し終わる時期」は全国共通です。
- 期限: 2月3日(節分)まで
暦の上で春が始まる「立春(2月4日)」の前日までが寒中見舞いの期間です。
1月16日から出し始めた場合、2月3日まで約2週間しかありません。
関西方面へ送る場合は期間が短くなるため、準備だけは早めにしておき、1月15日に投函するくらいのスケジュール感がベストです。
5. まとめ:カレンダーを確認して投函しよう
寒中見舞いの出し始めルールをまとめます。
- 関東・その他: 松の内は1/7まで → 1/8から投函OK
- 関西・四国: 松の内は1/15まで → 1/16から投函OK
- 地域またぎ: 相手の地域の「松の内明け」に合わせる。
- 迷ったら: 全国共通でOKな「1/16以降」にする。
せっかくの挨拶状ですから、相手の生活リズムやお住まいの風習を尊重して送りたいものですね。
年賀状の返信が遅れてしまった方も、この期間を守れば失礼にはなりません。
安心して準備を進めてください。
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